記憶

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「うそ、だろ?」 解んないよ。そんな、泣きそうな顔して目を泳がせてもさ…。 カメは、本当に泣きそうな顔のまま、近くの椅子に腰掛けてうなだれた。 そんなカメを見つめる俺の頭上には、多分「?」がいっぱいなんだと思う。 「ね、その人。そんな大事な人なの?」 「………大切な仲間」 消え入りそうな小さい声で応えるカメに小さく頷いて、反応を示す。 「スタッフさん、じゃなくて?」 「KAT-TUNのNだよ。俺らの大切な仲間」 「Kがカメで…Aが赤西、Tが田口と聖…Uが俺で……あれ、?」 そこで初めて気付いた。もうずっとKAT-TUNなのに、Nのヤツ、俺知らない…。 何でだろ。 「…っ!!?」 「…上田?」 「い…たいッ…頭、痛い!」 「う、上田!落ち着け!大丈夫だから、ちょ、ちょっと寝ろよ。な?」 俺の肩や腕をさすりながら、顔を歪めるカメ。俺も頭痛いの耐えきれなくて小さく頷いてから、深呼吸して目を閉じた。
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