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「…………」
頭が真っ白になって、考えることが出来ない。カメの言ってることに、頭がついて行かなくて、固まってしまった。
「中丸…?おーい、ハゲマル?」
「中丸くん、ショートしちゃったのかもしれないね」
「無理ねぇよ」
目の前で聖が手をヒラヒラさせて、心配してるみたいで、やっと我に還った。
「ッうそだよな?なぁ、聖。なぁ赤西!田口!カメ!お前ら嘘って言えよ!」
メンバーに顔を向けて訴えたけど、みんな顔を伏せて何も言ってくれない。
…いや、言えないのかもしれないんだ。
「……嘘だろぉ!!」
ショックと悔しさで、めい一杯布団ごとベッドを殴りつけた。
守れなかった。隣にいて、幸せだって笑ってくれた上田を、俺は…守れなかったんだ。
命に別状は無いって言ってたけど、記憶を無くしたなんて。信じたくなかった。大切な、一番大切な人の中に、俺が居ないなんて…。最初から居なかったなんて、考えたくない。
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