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「どうぞ」
遠慮がちにドアノブに手をかけ、ゆっくりと開ける。部屋の中央にあるベッドに座り、上着を羽織ってこちらを不思議そうに見ている、上田。
頭の包帯は俺と一緒だけど、何だか痛々しい。
「あ、あのさ」
「?………だれ?」
来るべきじゃ、なかった。真実を俺は受け入れることが出来るのか?
立ち尽くしている俺の顔をジッと見つめた後、上田は閃いたように呟く。
「あ」
その声で出来なくなっていた瞬きを、一度だけする。期待。不安。
上田の顔を見たけど、また、視線を逸らすことになった。
「スタッフさん?……カメが写メ見せてくれたんだけど、俺らと一緒に写ってたから。…当たり?」
あどけない、満面の笑み。これは、嘘なんて、ましてや悪ふざけなんかじゃないと感じた。
一瞬にして、足先から頭のテッペンまでを逆流するように一気に冷たい風が吹いた気がした。
「………」
「あれ?、ハズレ?…んー。じゃあ、あんた誰?」
言葉を発さない俺に、上田はキョトンとしながら首を傾げた。
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