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気が付くと俺は真っ白な部屋の天井を見つめていた。
…どうなってるのか、よく、解らない。
「あ、気が付いた?」
声のした方に目を向けると、満面の笑みでこちらを見ている田口と目があった。
手には、花が生けられた花瓶を握って。どうやら水を変えたとこだったらしい。
「…ここ?」
「病院だよ。びっくりしたよ、帰ろうと思ったら、中丸くんから電話あってさ。いきなり“助けてくれ”なんて。…って、覚えてる?」
「…ッ」
起き上がろうとすると、首と頭に痛みが走る。その時に気付いた。包帯。
「ああ、まだ寝てた方がいいよ。首は捻挫。それと、頭は軽い打撲で済んだって。良かったねーエアバッグ搭載で」
再びベッドに横になりながら、にこやかに笑う田口に苦笑して布団を被り直した。
「僕先生呼んでくるから、ちょっと待ってて?すぐに聖が来ると思うしさ」
「悪ぃな、迷惑かけちまって」
「あれ、どうしたの?頭の打ちどころ悪かったのかなぁ?」
冗談ぽく笑いながら、田口はゆっくりと病室を出て行った。と同時に聖が入れ違いで入ってくる。
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