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「よ!目ぇ覚めたか」
白い歯を覗かせたいつもの笑顔のまま聖は俺の足元に歩み寄る。
布団で隠れた俺の脚をペシペシ叩きながら、近くにあった椅子に座った。
「良かったよ、怪我ヒドくなくてよー。ほい。土産…じゃなくて見舞い」
「ありがとう」
差し出された棒アイスを見つめてそっと受け取れば、さっさと食えと言わんばかりに聖の目が俺の持つアイスに向けられた。
コンコン
「?…はーい?」
目が覚めて一発目のアイスは如何なものかと思っていた矢先の来客にホッとしながら、ドアに向き直ると顔を覗かせたのはカメだった。
「気分ど?」
「ハゲマルー、生きてっかー?」
「ハゲてないからね赤西よ」
カメの後ろからケラケラ笑って赤西が入ってくる。
病室内を見渡しながら、赤西が遠慮なしにベッドに乗ってきた。
「あれ?田口は?」
カメが手に持ってた袋をテーブルに置いて、首を傾げる。
「医者呼びだと。……つーか、どうだったんだ?」
「?」
カメの呟きに似た疑問に答えた聖は、すぐに話題を変えたらしくて、カメと赤西の顔が一気に変わるのが分かった。
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