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いつの間に来たのだろうか?青い髪できつめの顔をした青年が、ヒルムの真後ろに立っていたのだ。その手はヒルムのしっぽを弄っている。
しっぽを弄られあえぎ声を出しているヒルムを全く無視し、
「ティアノイズ。腹が減った。何か飯を作れ」
「かしこまりました」
ようやっとライノルズの手から解放されたヒルムが、顔を赤くしたまま口を開いた。
「あ、あの?ラ、ライノルズ様?」
「ん?あぁ。何をしていたかは、食事の席で話そう。今はとにかく腹が減った」
貴族かなにかが出てくる物語によくありそうな長いテーブルで、ライノルズ、ヒルム、ティアノイズは三人だけで、遅めの食事を楽しんでいた。
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