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四肢のないあたしは、抵抗することすら出来ずに、ただ刃物が体に食い込んでいくのを見ることしか出来なかった。   ざくり   と音がして、あたしの体が分断された。 痛みということを知覚できないあたしは、音楽を聴くようにその音を聴いていた。 そして、かつてあたしだった物が離れていくのを見ながら、地に落ちていった。
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