HEART TO HEART

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† 俺は先輩と玄関で別れた。 幸福を感じながら下駄箱に向かう。 靴を履き替えている時に誰かが来た。 名前はわからないが、確か同じクラスの人だと思う。 「あっ……」 その人は小さく声を上げて俺を見た。 ……誰だったかなぁ。 お互いに沈黙を選んで、何秒か経ち、仕方なく俺は口を開く。 「おはよう」 「あ……うん、おはよ……」 ……なんか罪悪感。 俺こんな顔だから、周りから見れば、俺が彼女に何か脅してるようにみえてるんじゃないだろうか。 俺は早い手つきで外履きを下駄箱に突っ込む。 ここで硬直していても、居たたまれなさを感じるだけ。 足早に、振り向くことなく教室へ向かった。 言い忘れたけど、ショートヘアのかわいい娘だ。 † そんで教室に着く。 そして中から、 「あ、ふみきだ。おはよう」 「よう、今日も一段と目つきが悪いな。ついでに髪は暴れん坊だ」 親友たちの挨拶。 「おはよう、司。そして喧嘩売ってんのかてめぇ」 俺がずいと勝に顔を近づけると、 「まあまあ、冗談だから」 司が仲裁に入った。 「そうだぜ。そんなに熱くなんなって」 「調子乗んな。──っとそうだ。司、ちょっと数学教えてほしいとこあんだけどいいか?」 「いいよ」 そう言ってくれると思いました。 突然だが、ここで俺の親友について触れておこう。
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