HEART TO HEART

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とまあ、ここでさっきの話に戻る。 「ここはね、この公式を使って──」 「ふむふむ、それでこの答を求めたあとは?」 「こんどはここにさっきのを代入してね」 「──おおっ! すげぇ、ちゃんとできた!」 「わかった?」 「おうよ! ばっちりだ。ありがとな」 「それならよかった。どういたしまして」 司、笑顔がまぶしいよ。 俺たちのやりとりを見ていた勝は呆れながら、 「お前らほんっとに勉強好きだな」 「俺は別に好きなわけじゃない」 「僕は割と好きかも」 「お前はどうなんだよ?」 「俺の人生に不要だな」 そういえば、こいつの学力ってそんなよくないんじゃ……。 「なにしに学校きてんだ?」 「さぁ? なんとなく」 学校に入っていることより入れたことのほうが不思議だよな。 この学校って偏差値高いんだぜ。 中学最後の年に一生懸命勉強したことを覚えている。 あの頃はよくやったなぁ。 なんか勉強する癖までついたし。
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