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「まぁまた一緒にがんばろうよ、もちろん勝もね」
司の激励に、
「おうよ」
「まじかよー」
勝だけはノリがわるかった。
そして俺が椅子に座ろうとしたとき、司が俺の顔を見てなにかに気づいたみたいで、
「ふみき、今更なんだけど口どうしたの?」
「ああ、これは──」
思い出すことは引ったくりでなく、あの先輩のことだった。
楽しかったなぁ。
「……なんでにやけてんの?」
「へ?」
おっと、知らない間に顔がにやけていたようだ。顔を戻して、
「悪い悪い。これはちょっとあってな」
「「ちょっと?」」
二人そろっての尋問。
あまり言いたくないので、苦し紛れでも、反論する。
「転んだんだよ」
「嘘だよね」
「嘘だろうな」
とか、ヒソヒソ話している。
ちっ、勘のいいやつらめ。
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