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朝食を作ろう。
俺はキッチンに移動し、オーブントースターにチーズを乗っけたパンを放り入れ、焼き時間を三分にしてスイッチを入れた。
その間に野菜を切って盛る。
我ながらなかなか手際がいいじゃないか。最後に卵をとき、オムレツも皿に乗っける。
部屋中にいい匂いが広がり、ちょうどよくトースターからチンという音が響き──
オーブンを開けると、トロトロに溶けたチーズを被ったパンが現れた。
いいね。
朝食を済ませ、俺は歯を磨き、顔を洗って、制服に腕を通した。
鏡の前に立ち、寝ぐせを直す。
「……はぁ」
ため息が出る。
生まれつき俺は親父似で目つきが悪く(親父よりヒドい)、髪も親父と一緒で後ろ髪が常に上を向いている。
寝癖のような髪型が素というのもかなり厄介だ。
俺はまた、重い息を吐き出し、自分とのにらめっこをやめる。どうにもならん。
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