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よし、準備は完了だ。
さてと、学校にでも──っとと、そうだ。
俺の日課を忘れるとこだった。
「おはようみんな」
みんなの仏壇に向かって挨拶することだ。
今日も飯が旨かったよ。
と、心の中で母に一言。
兄ちゃんは今日も元気だ。
と、妹たちにも一言。
「……この野郎」
額に入った親父には面罵。夢にむさいおっさんはいらない。ついでに、よくもこんな顔にしてくれたなと。
もちろん何も返ってはこないのだけど。
「まあいいさ、……死人に何を言ったとこで、どうにもならん」
俺は肩をすくめて、そこを離れた。
本来なら幾分マシな言葉を挨拶にくれてやれたんだろうが。
色々と嫌なことを思い出してしまったせいか、悪罵しか思い付かなかったのだ。
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