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「タイム!」
突然、宇はそう叫んだ。
「・・・?」
「タイムタイム!!もー、埒があかねぇから、“選手交代”すんぜ・・・。気分転換にもなるだろうし。――――大体、ただの組み手なんか、今の状況と敵に合ってないしな・・・。“人間”くらいのレベルの組み手なんか使えねえしな――――」
「・・・・・・」
・・・それもそうだけど、餌は体力的な攻撃は出来ない。そして、僕は、逆に特殊な攻撃が出来ない。・・・というより、今は何も出来ない、か。
だから、体力的な攻撃は練習すれば“ある程度”攻めれるから、地味な組み手を地味に鍛練してたんじゃないか・・・。
なんて、考えながら目を逸らさないように宇を凝視していると、面倒臭そうに、頭を掻いて宇は、わざとらしく――――――何かを繰り出す構えをした。
「チェーンジっ!
――――“身代わり”(フェイク)」
そう言って、宇は――――“死面”(ディギャップ)を使って、衣の姿に変化した。
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