楽園

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澄み渡った空は青く、海は紺碧に空を映している。 若さ――それは何ものにも替えがたい宝物。 拡美(ヒロミ)はぴたりと賢治(ケンジ)の肩に寄り添い、空と海の混ざり合う地平線近くを走る、豆粒のようなヨットを眺めた。 ヨットはヒロミとケンジの友人――二人にとって、学生時代から共に友情を育んできた、無二の親友と言ってよい明(アキラ)と安恵(ヤスエ)を乗せ太平洋を滑っている。
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