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夕食は缶詰のほかに、アキラとヤスエがヨットで辿り着いた、無人の小島で取れたサザエの壷焼きが色を添えた。
これだけで五つ星レストランで正装して食べる、フランス料理にも匹敵する御馳走だ。
パチパチと燃える炎が、四人の鼻先を熱く照らす。
「まったくゴロゴロ取れるんだから、びっくりするぜ!!」
「いいのか?前に取れるからってバカバカ網に入れてたら、じつは養殖場で罰金払わされたってオチがあっただろ」
自慢するアキラをケンジが茶化した。
「無人島なんだから大丈夫よ。あたしたちのほかに誰もいなかったもん」
と、ヤスエ。
「はは~ん、なかなか帰ってこないと思ったら、絶好の穴場とばかりに、二人で楽しんでらっしゃったな~」
「バカ!ケンジ、そんなこと、するわけないでしょ!」
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