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アルトの案内で、2階へ向う。
階段を上ると、部屋が2つあった。
階段を上がった正面の部屋はアルトが使っているとのことで、右に曲がった突き当りの部屋を借りることになった。
部屋に入ると、白いキングサイズのベッドがあった。
ふかふかとした感触。
座るとぼすんと沈む。
ぼすんぼすんと上下に跳ね、そのまま後ろに倒れこんだ。
「はー…疲れた…」
靴をそのまま脱ぎ、その辺に脱ぎ捨てる。
もぞりと体をひねらせて、そのまま布団にもぐりこんだ。
風呂は、明日でも平気だろう、そんなことを頭の片隅に置きながら。
そしてそのまま眠りに付いた。
夢を見た。
あたりは黒い闇ばかりで、無音状態。
歩き回ってはいるが、音も立たないのだ。
おかしい。
おかしい、だが、後ろから確実に何かが迫ってきている。
その気配がある。
息を切らせるほど走る。
走っても走っても、その気配は変わらず着いてくる。
振り返ることは出来ない、それを見るのが怖いから。
「はぁ…っ、は、はっ…」
次第に、自分の足音はしないのに、着いて来るひたひたという音が聞こえてくる。
ああ、自分はここで終わる。
由岐哉はそう思った。
確信めいたものを感じていた。
由岐哉は走るのをやめ、その場に立ち止まった。
そして、ゆっくりと後ろを振り返る…。
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