コウモリの悲哀

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 昔々、地上の生き物と、鳥達が戦争を始め、コウモリは、その時々で、旗色のいい方に味方し、寝返りを行なったので、戦後誰からも相手にされなくなったという話が、確かイソップ寓話にあります。  しかしながら、私の知っている話はちょっと違うので、今からお話します。  昔々、鳥達は地上の生き物と戦争を始めました。戦争のきっかけは良く分かりません。大体戦争の理由は、後から、勝った方がでっち上げるものなので、あんまり当てにはならないものです。  当初、鳥達がコウモリを勧誘にきました。翼があるから、鳥の仲間だろうという事です。  コウモリはガンとして拒絶しました。 「おまえらは知らんじゃろうが、ネズミとは先祖が親戚じゃ、戦争なんて阿呆らしい事はできんわい。」  コウモリは哺乳類なので、あながち根拠のない話ではありません。 「そんな阿呆らしい事するより、かか(嫁)と乳繰りあいでもしよる方がずっと楽しいわい。こんならあも(おまえらも)つまらん事はやめちょけ」  コウモリのセックスは一回4時間、おまけに雄の一物は上下左右自由自在に動くすぐれ物です。淡泊なセックスしかできない鳥の使者は、こんな下品な奴は仲間に要らないと、帰ってしまいました。
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