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楓の呼ぶ声に気がついた翠は小走りで楓の場所にやってきた。
翠「楓ちゃんも悠太を捜してここに来たの?」
思いも寄らない所での知り合いと出会い、一人淋しく捜していた翠は笑顔で楓に話しかける。
楓「そうなんですぅ~!奇遇ですねぇ~?翠さんはどうしてここにぃ~?」
喋り方も学園の時に戻す楓。笑顔も絶やさない。
翠「なんかこんな森の奥にはいないと思ってたんだけど、虫の知らせみたいな?なんかそんな感じがして」
楓「そうなんですかぁ~!意外と悠太さんがこの森にいて草木が翠さんに教えてくれたのかも知れませんねぇ~?」
そういいながら辺りを見回す、振りをして悠太の方を向いてニタァ~と妖しい笑みを浮かべる。
一瞬で気づく。全て楓は仕組んでいた。悠太がここに来ることも、翠がここに来ることも、楓の能力を使えば簡単。
楓程ではないが一般人も多少は草木の声が聞こえている。しかし認識出来ない。だが極稀にそれを感じる者が出て来る。
それが虫の声。人が死んだ時や何かが起こった時に感じるあれ。
本当は偶然に草木の声を感じてしまったに過ぎない。それを感じた時に偶然死んだのが重なっただけ。
楓はそれを利用して他の生徒を此処に寄せ付けずに翠を呼び寄せた。
悠太も同じで、本来なら悠太は楓を発見出来るはずは無かった。その能力を使えば簡単に。戦闘狂の楓は逆利用した。
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