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悠太「ごめんな?巻き込んで。けど本気で助けたかった。俺の魔力が尽きて死んでも翠は助けたかった。実際終わる頃には魔力カスしか残ってなかったしな。」
魔法の同時使用は膨大な魔力を消費してしまう。悠太の魔力が切れれば当然中途半端に回復した翠は助からない。悠太も死ぬ。賭けだった。
翠「悠太はどうしてそんなにもして私を助けたの?」
悠太「お前は俺にとってのかけがえのない存在だからだよ。翠が居るから今の俺がいる。そのおかげで俺は救われた事があったからな。」
外を見ながら物思いにふけるように語る悠太。
毎年盆まえになると自己嫌悪に走る悠太だったが今年は違った。
何時も悲しい瞳で見つめてくる美羽が翠と笑顔で迎えてくれた。
そんな事がなによりも悠太には嬉しかった。
悠太「その時は嬉しかった。居場所が出来たってね?もう無くしたくなかったんだ。」
翠「それなら私幸せ者だね!学園、世界中からの人気者の隣にいれて!」
恥ずかしいのか照れ笑いながら言う翠
悠太「なんなら翠」
翠「ん?」
悠太「ずっと隣にいてもいいんだぜ?」
ポリポリと頬をかきながらあっちを向いて言う悠太の顔は絶対真っ赤だろう。
翠「ホントに?」
悠太「いや、あれだよ?翠は美羽のママであって……」
必死に言い訳を述べる悠太。それがおかしいのかクスッと笑う翠
一時の甘いようで酸っぱいような空気が流れていた。
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