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「帰るって実家に帰るの?函館?」 「実家に帰るんだよ。もう帰りの高速バスの切符買ってあるんだ」 それを聞いて俺はひらめいたんだ。 「実は俺ももうすぐ実家に帰ろうと思ってたからさ、30日会って、俺の家に泊まって、次の日一緒にバスで帰ろうっか!」 思わず声が弾んでしまった。 電話の向こうの長坂さんも声を弾ませて 「ほんと~!じゃぁ帰り寂しくないね!泊まっても大丈夫なの?」 「うん!大丈夫だよ」 「でも彼女いたよね?」 そうだった…ゴールデンウィークの頃とは違い、俺にはちゃんと彼女がいたのだった。そのことは手紙で伝えていた。 でも、こんないい機会を逃したくない思いが勝った。 「大丈夫だから。とにかく予定空けておくから。前の日にまた電話ちょうだいね」 「わかった~。ありがとね。楽しみにしていくからね!」
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