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水族館を見た後、俺たちはファミリーレストランで食事をしていた。
「結構水族館も楽しかったね」
「そうだね~俺ちゃんと見たの初めてだったよ」
「私も。でも…」
「…でも?」
「まさかこうして高田君と私が卒業してから会うなんてね~」
「あはは…そうだね~」
そうだ…あの頃は、長坂さんの側には必ず保科さんがいた。長坂さんは、誰よりも俺と保科さんのことを考え、二人の気持ちが通うことを願ってくれた。
だから俺と保科さんは付き合うことができた。
でも…
あっという間に保科さんは離れていってしまったのだった。
「高田君、そっちで(大学)彼女できた?」
「いや~できないよ」
「そう…好きな人は?」
「う~ん…いないなぁ~」
「そうなんだ…」
一度窓の外に視線を外した長坂さんは、再び俺の目をじっと見つめてこう言ったんだ。
「咲ちゃんのこと、まだ気にしてるの?」
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