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それを聞いて長坂さんは目を細めてこう言ったんだ。
「高田君って、ほんとにいい人ね。咲ちゃんもったいないことしたわ!」
「そんなことないよ。やっぱり俺なんか保科さんと釣り合う器じゃなかったよ」
「違うよ~あの時は咲ちゃんが悪いんだから。今度高田君と会ったこと伝えるね!ますますいい男になってたよって!」
「あはは~お幸せにねって伝えておいてね」
長坂さんと別れた後、俺は保科さんとの思い出をリフレインした。
たまに思い出すと切なくなっていたが、結婚すると聞いて、逆に吹っ切れた。
また長坂さんに助けられた形になった。
そのゴールデンウィークが明けた6月に、優希と出会ったのだった。
夏に付き合い始め、秋にはいろいろな病気をして、入院までして死の淵を彷徨うも、優希から献身的な愛を受け、俺は病気を克服した。
クリスマス…お正月…バレンタイン…ホワイトデー…
俺は愛する彼女と温かいイベントを過ごしてきた。優希との恋愛は、揺ぎ無いものだった。
そして大学3年を間近にした3月の末、突然長坂さんから電話が入ったのだった。
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