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「ところで、俺にお願いって何?」 「んとね、私来週そっちに行くことになったの」 「え!函館からこっちに遊びに来るの!?」 俺たちの実家はその途中にあった。それを通り越してこっちまで遊びに来るのか… 「私の親友がね、そっちにいるのよ。高田君とは別の大学に行ってるんだよ」 「へぇ~そうだったんだ」 「でね、その友だちの所に2泊するつもりで帰りの切符も取っちゃったんだけど、その子の予定が変わっちゃって、一日ぽっかりと空いちゃったのよ。」 え…それってもしかして… 「切符は変更は出来るとは思うけど、せっかくだから高田君にも会いたいなって思ったんだ」 長坂さんと会える…俺の心は思わずときめいてしまった。 俺は何の迷いもなくこう答えた。 「いいね~ぜひ会いたいな。それっていつ?」 「えーっと…3月30日なの。そっちには29日行くんだけどね。」 実は俺もその辺りに実家へ帰ろうと思っていた。新学期が始まる前に一度帰ろうと思っていたが、まだはっきりとは帰省日を決めてはいなかったんだ。
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