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昔の話をしすぎたので簡単にダイジェスト──
彼女が家に来た。なんだかいつもと違う様子。嫌な予感。
「コタツに入りなよ。寒いでしょ?」
俺の問いに平気と答え、そのままちょこんと横に座っていた。
二人の間を沈黙が支配する。
「うーん……仕事じゃなかったら何?」
沈黙に耐えられなくなった俺は質問をする。
彼女は言いづらそうだ。
「言わないとわからんよ」
俺の嫌な予感は高まった。
そして、その予感は当たった。
「別れてください──」
ほんの五分前に初めて感じた嫌な空気が現実に変わった。
──今週はいつもよりも電話がかかってきていた。
喧嘩をしたわけでもない。いつもと違う雰囲気が漂っていたわけでもない。
先週末だって、普通にデートをして、普通にキスをして、普通に体を重ねて。
俺には唐突過ぎて何がなんだかわからなかった。
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