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お茶を用意し、再びコタツに戻る。彼女はうつむいたままだ。
「ごめん……」
彼女が言う。
「いや、こっちこそごめん。ちょっと感情的になった」
俺も謝る。
「謝るのおかしいやん」
「いや、感情的に言うのはよくない。ごめん。で、その人が好きなの?」
「……」
彼女は間をおいて、うなずいた。
「先に言ってくれればよかったのに。なんで、普通に今日、来たの? んで、もって、先週の電話は何さ?」
「……前に、一人で決めるなって言うから、会いにきた」
「うーん。結論を出してきてるなら、一人で決めたのと一緒じゃん。気持ちって、そんな早く変わるもんなん?」
彼女が首を振る。
「いやいや……」
俺はお茶を口にした。やけにのどが渇く。
「土曜日に告白されてん。友達だと思ってた人に。昔、好きだった時期もあったけど、友達だって思ってた。でも、告白されてゆれてしまって」
「そっか。そっか。うん」
俺は気持ちを落ち着けて、できる限り、平静を装った。
「わかった。直接言ってくれて、ありがとう」
俺はうつむいてる彼女の頭をそっとなでた
「やめてよ。本当はムカついてるんでしょ!」
彼女が顔を上げた。泣いているようだ。
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