こんなときにプロポーズ

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 彼女と過ごす最後の夜。別れたなんて嘘みたいだ。  彼女はソファーで寝るとだだをこねたが、別に俺は気にしないからと、同じ布団に寝させた。  いつもように横で寝る彼女。  そして、いつものように、ちょっかいを出す。  最初は彼女は駄目だと言っていた。 「うん。玄関を出るまでは俺の彼女。それでいいじゃん。嫌いになったわけじゃないでしょ?」  彼女は俺に身を任せた。そして、最後の夜。  最後の恋人としての時間を過ごした。  朝、自然に目が冷めた。正確には寝付けなかったといったほうが正しい。  横で寝る彼女の顔を見る。  部屋は昨日のまま。  コタツに置かれたままのお茶を眺め、昨日の別れ話が夢じゃなかったことを痛感する。  俺は布団を出てコタツの前に座り、ぼんやりと考えていた。  もう、どうにもできないのかな。
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