ちょっと続き。

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21時半をまわったが、彼女はまだ来ない。連絡も着ていない。 彼女の家の前に車を停めて待っていたので、アイドリングも停めていた。 エンジンの音も何も聞こえない車内は今までのことを思い返すには十分すぎるほど静かだった。 いくら考えたって無駄なのに、どこで間違えたかなんて考える。 何があればよかったんだろうなんて、いくら思っても無駄なのに考える。 友達が告白しなければなんて、最低なことを考える。 俺は汚い。最低だ。 彼女の幸せを一番に願ってる。なんていいながら、綺麗な別れすらできない。 本当はわかっているはず。彼女の気持ちは、もう自分に向いていないことなんて。 きっと彼女は友達を好きで、ただ、俺には情があるから、ストレートに表現できないだけなのだろう。 彼女自身がそれを自覚していたかどうかなんてわからないけど。 でも、もう一度、会いたかった。 「おまえと似てるな」 もし彼女が俺と同じように誠実に向き合うために、正直に話してくれたのだとしたら、もう一度向き合って、話したかった。数万分の一でもいい。彼女の気持ちが戻ってくる可能性があるのなら、逢いたかった。
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