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後に続くように彼女も靴を脱ぎ俺に続いた。
「う~ん」
彼女ははにかんだ笑顔で答えづらい様子。でも、それもいつものこと。彼女は仕事が入ってしまって約束が流れた時、いつも気を使って、とても答えづらそうにする。
「仕事じゃないの?別に仕事ならしょうがないって」
俺は笑顔でいう。俺がコタツに座ると、コタツに入るでなく、横に座った。
「よくない話……仕事は仕事やねんけど……」
うつむいたまま言う。
「寒くない?コタツ入りなよ」
彼女がいつもと違う様子なことに、このときに気がつく。
「んん。大丈夫」
彼女が答える。俺はエアコンにスイッチを入れる。ちょっと嫌な予感を感じる。でも、その嫌な予感を打ち消すように、先週からかかってきていた夜の電話を思い返す。
大丈夫だよね?
自問自答。
ま、答えはでていたし、本当は気づいていたのかも。3ヶ月前の様子と重なったから。
やけに多かった先週の電話は神様の悪戯かな。
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