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空には雲がひとつも無い。
太陽があんな広いところを独り占めしているのに、こんな狭いテントのお店に押し込まれている自分はなんなのかと、ジンは自分をみじめに思った。
そんな事を考えているジンの目の前を、一人の少年が横切る。
「ジンにぃちゃん、今日もお仕事?」
少年――テルが足を止めて、ジンに聞いた。
「そんなところだ」
「そっかー、大変だね!」
「まぁーな」
テルはそれだけ言うと、他の子供達と一緒にどこかへ走って行った。
ジンは再び狭いテントで一人ぼっち。
のんびりとした空気がジンを包んだ。
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