1、エンジェル・ハート

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もし仕事が無かったら、今頃はどこかへ遊びに行けたのに。 と言うより、今から遊びに行ったらどうだろうか。 多分、師匠にばれることはないだろう。 そんなことを考えながらもジンは、商品の刀をボロボロな布で丁寧に擦っていた。 ジンと師匠以外に触られていないこの刀は、汚れていない。 でも、他にやることが無いのでこんなことをしている。 この刀は今日だけで五回も擦られていた。 師匠の刀が名刀と呼ばれている影には、こんな努力があるからかもしれない。
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