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「ぐっ・・・・にゃろ!キショいんじゃ、離れろ!!」
何とか足を虫の腹まで回して一気に虫を引き剥がし、素早く立った。
「こいつら・・・・ゴキブリ!?」
「有山今や!はよ来い!」
振り向くと、東が再び車内に入り、助手席のドアを開けて、待っていた。
有山は急いで飛び込み、ドアを締めた。
「いいぞ!行け!!」
有山の言葉で東はアクセルを踏み、キィィイイとタイヤを鳴らしてその場を去った。
「有山、大丈夫か?」
さっきの騒ぎで人が無くなった道を、難無く車を走らせる東が聞いた。
「取り敢えずはな。しかしよくまぁあれがヤバいって気付いたな?」
「目の前で人喰われとるの見たら気付くどころか解るわ?」
有山の問いに東がすんなり答えた。
「あ~なるほど」
「てかあれ何なぁ?映画やあるまいし、何もゴキブリが巨大化しとんのやて?」
「さあ?・・・・もしかして、この間の隕石落下に関係あるとか?」
「あ~、あの時のか?でもあれが原因ならその時から何か言われてるやろ?」
そう言われた有山は、う~ん、と首を傾げた。
車を走らせて約15分。ようやく有山達が所属する久居駐屯地に到着した。
「・・・・どういう事や・・・これ?」
「誰も・・・おらん?」
正門で止まり中を覗いた二人は合わせる様に呟いた。
今日は休日なので人が少なくなるが、こんな状況にも限らず駐屯地内は人が動く気配が無かった。
「取り敢えず中に入るか」
有山が言い、門の前に置かれている車両止めを退けて、中に入った。
「ひとまず、それぞれの隊舎に行って捜索して、またここで落ち合うって事で」
「OK、了解」
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