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試合終了のホイッスルが響く。
結局、この試合は一分足らずで俺の敗北となった。
5月現在の戦績は46戦46敗、0勝・・・
4月から毎日始まるこのトライアルで、俺は全て敗北している。
20戦連続敗北辺りから、補習が始まった。
30戦辺りから、もっとある。
敗北する原因はもちろん、俺が魔法を使えないからだ。
魔法が使えれば、戦略のバリエーションがかなり増える。
俺の体術に魔法を組み合わせれば、おそらくイイ線いってるでしょう。
が、魔法がないとなると、接近して拳の殴り合いしか方法がないわけで・・・
いつまでも経っても勝てっこない。
「おージークちん。今日は最短記録が出たね」
ベンチ入りすると、そこには俺のクラスメート、エステスが出迎えてくれた。
エステスは俺と違って光系の魔法が使える・・・が、いかんせん本人にやる気がないので、同じく46戦連続敗北という記録に至る。
「そんなこと計るよりもさぁ・・・」
「ノンノン。計っているのはなにもジークちんの時間だけじゃないんだよ~。あぁ今日の先生、無精髭が0.1ミリ伸びてるぅ~」
どこ計ってんだ。おまえ。
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