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「なんか拭くもん持ってないか?」 憲一の動きが止まる。確かに、ここにきてから鼻に違和感を感じていた。矢織の顔を見るとうっすらと汗が滲み出ている。 「お前なんでこんな所でしてんだよ」 やっと出た言葉だった。 あまりにも非現実的。都会にある学校の直ぐ側で中年の男がよりによって踏ん張っていた。 「いや~お腹をくだしての。トイレを探したんだが見つからなかったんじゃ」
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