始まり

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周りに誰もいない事を確認して憲一は茂みから素早く出た。矢織に関わったら危険、というのが憲一が出した答えだ。 「ちょっと待ってくれ」 矢織の事を無視し憲一は速く歩いた。声は小さくなり消えていった。一言だけ聞き取れた。紙を、と。 憲一は後ろを気にしつつも、駅まで繋がる道との交差点まで来た。そして、横目からゆっくりと来た道へ顔を向ける。 道は生徒が数人歩いているだけで矢織の姿は無かった。その事に憲一は小さく息をつく。
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