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「なんで逃げるんじゃ」
後ろからの問い掛け。
「なんでって、そりゃ誰だってあんな奴とは関わりたくないに決まって」
慌てて振り返る。そこには矢織が立っていた。
「うわ」
憲一の心臓は停止し、そしてまた体に血液を流すため鼓動し始める。
「テメー何でここにいるんだ。ありえないだろ。それに紙はどうした紙は。まさか拭かずに来たんじゃないだろうな」
普段は無口の憲一の口から次々と言葉が出て来た。思いがけない事にいつの間にか早口になっていた。
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