始まり

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何とか自力で心臓を動かした憲一は矢識から今目の前で起こった事を長々説明された。 「んで?テメーは俺の後ろにいた虫と場所を入れ代わって助かったというわけか。誰が信じるかそんな話」 「実際に貴様は見たじゃろ?目の前で」 そんな事言われても信じれるわけがなかった。 「信用してない目じゃの。なら体験してみるか?今やったのとは違うやつだけどな」 憲一は、今起こった現象は何種類もある中の一つで1日に数が決まっている事や、憲一には別バージョンを体験させると説明された。 「そんな魔法みたいな事ができるのか」 矢織はゆっくりと頷く。憲一は信じてはいなかったが興味はわいた。 「もちろん。わしの動きを真似するんじゃぞ」 自然と憲一は期待に胸が高鳴る。人間というのはそういう生き物かもしれない。超能力や魔法をどんなに否定的な考えを持っていたとしても、いざ、できるようになると言われたら興味を抱き、好奇心が擽られる。憲一もその一人だ。 矢織は、目を閉じ両手を円を描くように一周まわして上で止め一呼吸おき片足を上げた。 「いれかわりいれかわるパーティクルん」 矢織は、にんまりと笑うと手の平を憲一にむけた。やれという合図らしい。 「できるかー」
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