寵愛

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「おいで…側に…俺の側に…何時までも…何時までも…側に居て…愛してるよ…」 私は暗示にかけられたように、貴方にそっと手を伸ばす。 触れる事など出来るはずないと思っていた貴方に触れようと震える手を持ち上げる。 貴方の頬に指が触れる… 確かめるように掌を当てる… 同じ様に貴方の掌も私の頬に触れる… それだけで心は震え 身体中に寒気にも似たざわめきが走る。 空いた方の手で腰を抱かれ、引き寄せられる… 洋服の上からでも、貴方の熱を感じる… 貴方の顔が近付く… 「キス…しよっか」 「うん…」 恐る恐る触れる唇… 貴方の舌が唇の形を確かめるようになぞる。頬に触れていた手は私を包み、強く抱き締めそれと同時に舌は挿し込まれる… 絡み合う舌は全てを確かめるように探索しあい、いつ果てるともなく続く… 一体どれだけそうしていたか、今まで流れて来た時間を全て取り戻そうとするかのように何時までも… 「…んっ…」 ギブアップしたのは私… 「はぁ…」 唇を離し息をつき、胸に頬を当てる… 「どうしたの?」 不安気に尋ねる貴方に 「…呼吸困難…酸欠…死ぬかと思った…」 ほっとしたように微笑み、頭を撫でる。 「嫌なのかと思った…」 「そんな事ない」 頭を振りながら答える…
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