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尚美24才の初冬…
尚美は多忙だった。
昼間は
日●ギャラリーを終え
その後、客と同伴、
そしてナイトのアフター…
更にモデル事務所の仕事(主にコンパニオン)と。
“私”と会えるのは月に1、2回。
“私”と会うたび
『ごめんなさい、本当に時間がないの。』
が口癖だった。
尚美の両親は、尚美が小さい頃に離婚していた。
尚美は母親に引き取られ、その後、母親は3度の離婚を…
それでも尚美は母親が好きだった。
父親の違う弟2人のため、尚美は毎月母親に仕送りしていたのである。
或る時“私”が、無理し過ぎじゃないか?
と言うと
『お母さんはダメな人。でも私の母親だもの。せめて弟達が高校を卒業するまでは…』
と、暗い顔を見せた。
確かこの時からだと思う。
私のどこかがキリッと痛んだのを感じたのは…
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