2/21
前へ
/231ページ
次へ
雪に覆われた夜の町。 華やかに彩られた、人々が行き交う世界。 『秋吉町』 と呼ばれる町。 それが、私の住んでいる町の名前。 東京よりも都会とは言えないが、私の知っている限り、ここも十分に都会のはずだ。 人が一杯居て、町も色んな物で溢れている。 普段も人は多いのだが、この日はクリスマスイブと言う特別な日。 その為、いつもの2倍近くの人間が、秋吉町に集まっていた。 秋吉町の中心にある秋吉駅の前で、私は冷たい風の吹く中、1人で友達を待っている。 「少し早かったかな?」 時刻は16時30分。 予定時刻は17時の待ち合わせだったが、私は友達を待たせるのが嫌だった為、いつものように家を早めに出たのだ。 そうだ。自己紹介をしておかなくちゃいけない。 私の名前は 『浅野・伊璃阿 (あさの・いりあ)』 この町にある秋吉高校に通う1年生。 勉強や運動は、平均よりも少し下と言った感じで、自分で言える特技と言うものはこれと言ってない。 私の特徴と言えるのか分からないけど、腰まで伸ばした黒い髪の毛がそれに当たるのかもしれない。 あ、後……これは昔からだけど、前髪の一部が飛び跳ねており、直してもすぐに元の形に戻ってしまう癖毛がある。癖毛の事を除けば、どこにでもいそうな高校生なのだ。
/231ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加