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   マクドナルド2階 無事に注文を終え、2階へと辿り着いた私達は、現在外の風景が見える窓際のカウンター席へと座っている。 三津祢はハンバーガー3個にポテトのLサイズ、そしてコーラのLサイズという量を頼み、おいしそうに食べているのだが…… 私はその横で、ポテトのSサイズにマックシェイクのチョコを頼み、外の風景を見ながらポテトを摘まんでいた。 「イブにここに来るとは思わなかった……」 「ん?そう?」 私の言葉を聞き、三津祢は不思議そうに私を見つめてくる。 「だって、町は今イブの真っ最中!って言うのに、私達は恋の話も何もないんだよ?」 ポテトを1本持ち、その先を三津祢に突き出しながら、私は何とも切ない事を言っている。 「ん~……まあ、イブだからって誰もが恋に落ちてるって言うことは無いと思うよ。はむっ」 私の言葉に、まともな回答をしてくれた三津祢は、私の突き出したポテトにかぶりつき、面白そうにまた笑っている。 「確かにそうだけど……せっかくのイブなんだよ?なんかそういう出会いがあってもいいんじゃないかなって思って……」 三津祢にポテトを食べられ、少し頬を膨らませながら、私は新たにポテトを手に取り、それを口に銜えながら呟いていた。 「な~に?伊璃阿は恋がしたいの?」 「べ……別にそういう訳じゃ……」 頬を赤く染め、私は自分が言っている事の意味を理解し始める。 その為、私は焦りながら三津祢の言葉を否定したのだ。 「そうだよね~。伊璃阿はそう言う事に鈍感だし」 「……それ、すごく馬鹿にしてる様に聞こえるんだけど」 いつの間にか3個目ハンバーガーを食べ始めている三津祢に、私は頬を膨らましながら三津祢を睨みつけていた。
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