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「あ、伊璃阿。後であそこ行こ」
「いきなり話を逸らさないでほしいんだけど~……」
三津祢に話を逸らされた事を、少し不服に思いながら、私は三津祢の指さす方向へと視線を移していく。
「……あそこって……?」
その方向には、イブの賑やかな町の風景と、先ほどよりも多くなったと思われる人の数しか見えなかった。
だからこそ、私は三津祢にどこの事を言っているのか聞いていたのだ。
「ツリーの横。人が集まってる場所」
三津祢の言う場所へと視線を向けると、そこには3人の女性達が舞台のような場所に立ち、その周りに何十人……いや、100人近くはいそうな人だかりが出来ていたのだ。
何故あの女性達の周りに人が集まっているのか気になった私は、女性達の姿をじっと見詰め始めていた。
真ん中の奥にいる、銀髪ショートヘアーの女性。
右に、3人の中では一番背が小さく、膝の辺りまである長い髪の毛が特徴的な女の子。
そして、最後に左側にいる、3人の中ではちょうど真ん中くらいの背丈で、背中まで伸ばした綺麗な茶髪が印象に残る女性だ。
3人は、それぞれ楽器のようなものを持っているのも確認できたが、距離が遠くだった為、真ん中の女性がドラムの前に座っていると言う事しか確認できなかった。
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