エピローグ

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「ねぇねぇ、yukiの新曲聴いた?」     「聴いた聴いた。両思いなのに別れる悲しみを唄った歌でしょ? あれって、yukiが実話を元に作詞した曲らしいよ」     「マジ? やばい。ただでさえ感動するのにそんな話し聞いたらホント泣けてくる」     この娘達もあたしの曲聴いてくれたんだ。 ありがとう!   あたしは楽しそうに話す女子高生2人の横を、感謝の意味を込めて軽く会釈して通り過ぎた。     「え、ちょっと今のyukiじゃない?」     「まさか。yukiがこんなところにいるわけないじゃん。気のせい気のせい」     気付かれたかと思ったけど、確かにyukiがこんなところにいるなんて普通考えられないか。   あたしは真っ直ぐ歩き続け、目的の場所で足を止めた。     山下家之墓     ここに来るのもずいぶん久しぶりだなぁ。   あたしは両手を合わせて目を閉じた。
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