シリア・ランデルス

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最東の町、セント・ウィズダムはその名の通り、聖職の町である。 町の中心には大きな教会があり、町を統治している。 司祭はヨハン・ランデルス。 「私のおじいちゃんよ」 「つまり君は後継者ってことか?」 外の井戸水で体を洗い、ついでに服も洗った。 服についた血を流すのは…気が引けた。 結局時間がたった血は、完全には落ちきらず、シミになった。 それはそれで。 苦しかった。 持っていたスウェットに着替えて戻ると、シリアと名乗った少女が食べる物を用意していた。 といっても山小屋にあるものだ。 缶詰め食品だが。 その食事をいただきながらシリアは聞いてもいないことを自分からいろいろ話し始めた。 「そんなすごいものじゃないの。 私の魔力なんてまだまだだし、人々をまとめていくなんて、まだ」 まぁ、そうだろうな、とルーザーは胸中で呟く。 どう見ても世間知らずのお嬢様タイプだ。
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