シリア・ランデルス

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ルーザーの呟きなどつゆしらず、シリアは話し続ける。 「でも、私、父も母も小さい頃に病気で亡くしてて。 姉は西大陸で仕事してるし、継ぐのは私しかいなくて」 「へぇ」 「そしたら…15日前におじいちゃんも亡くなっちゃって……」 「そう」 「教会の人は私を司祭にって言ってくれたんだけど、とうていそんな自信なくて。 だって私、まだ17なのよ!?」 さも当然といった顔で同意を求める。 ルーザーは若干困惑して、 「でも、なんつーか、そうゆう教育受けてきたんだろ? 今までの立場だってそれなりのとこいたんじゃねーの?」 別にどうでも良かったが、正論をついてみる。 「そうだけど…私の職位は巫女長だったし、もっと上の尊敬する先輩や幹部もいたし… 」 教会でも幹部って言い方すんだな、となんとなく思う。 聖職者に幹部という言葉はあまりに俗っぽくて、気持ち悪い。 「世界を知らないってゆうのもどうかと思うし。 だから、ちょっと外の世界に出てみようと思って。 ひとまず、西大陸の姉に会いに行こうと思ったの。」 そこで喉を潤すようにシリアは水を口に含んだ。
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