シリア・ランデルス

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「その姉貴は継げねーの?」 ふと思ったことを投げかける。 「姉は…」 と答えようとして、突拍子もなくシリアが不思議そうに聞いてきた。 「あの…いつも、その…そうなの?」 「は??」 シリアの言ってる意味が分からず、聞き返す。 「その…話し方」 意味を理解するのに数秒かかり、あぁ、と頷いた。 「そうだな。 育ちがわりぃから。 話し方は乱暴なのかもな」 「あ、いえ、乱暴とか、そんな風に思ったわけじゃないんだけど、聞いたことなかったから不思議で」 ちょっとはにかむように微笑んだ。 (不思議だぁ?) ルーザーは半ば呆れてシリアの顔を見つめた。 (俺にとっちゃあんたの方が不思議だよ) 「それで、えーと 、あ、そうそう。 姉のことよね」 本当にただちょっと聞きたかっただけ、といった感じでシリアは話を再開した。 「そう、姉には魔力がないの」 「ない? 魔法使いの家系なのに?」 純粋に今度は興味を引く話だった。 魔法使い――一般的にはソーサラーと呼ばれるが――については、ほとんど知らない。 「それが関係ないの。 魔力は遺伝じゃないもの」
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