シリア・ランデルス

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「あんたがどこの誰かは分かったけど、なんでこの山中にいんだ?」 と聞いて、さっきまで「君」と呼んでたのに、つい「あんた」と呼んだことをすぐに後悔した。 シリアもそれにはすぐ反応した。 ちょっとムッとした顔で 「分かってるならちゃんと名前で呼んで?」 「わるい…シリア」 名前を呼ばれて満足そうに微笑んだ。 「その前に、私、あなたのこと知らないわ。 次はルーザーの番。」 (いつ順番に話すって言った!?) さっきからシリアのペースに巻き込まれっぱなしだ。 話すことなんか、何もなかった。 いや…話したくなかった。 言いあぐねていたらシリアが聞いてきた。 「出身は? ソリタリーの出身?」 ルーザーは諦めたように、ため息をついた。 「ララナ」 「そうなん――」 「だった」 1拍遅れてシリアが疑問符を浮かべた。 「え…? どうゆうこと?」 ルーザーは下唇を噛んだ。 無意識に。 忘れたい。 思い出したくない。 …………。 忘れてはいけない。 「もうない」 「え?」 シリアにはまだ意味が分からない。 「もう、ねーんだよ。 ララナの町」 「どうゆうこと…?」
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