ルーザー・マテライト

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ルーザー・マテライトは、山道を歩いていた。 顔や服には泥がついてはいるが、端正な顔立ちの青年だと分かる。 年の頃18。 深いインディゴの髪に額にはエンジ色のバンダナ。 髪と同じ色のジャケットの中には白いシャツ。 焦げ茶のパンツにブーツを履いている。 腰には中剣と短剣が何本か、そして小さな小物入れが下がったベルトをつけている。 だいぶ疲れているのだろう、歩みは遅く、顔色もあまり良くない。 はぁ、と息をつく。 「そろそろ山小屋があったと思ったけどな…」 落ちてくる汗を腕でぬぐう。 昼の日差しと木々の湿気で不快指数はあがるばかりだ。 さらにここまで何度かモンスターに遭遇し、体力も底がつきている。 食料も、水も、ない。
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