ルーザー・マテライト

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真っ青な空と清々しい空気。 そんな朝がルーザーは大好きだった。 町の外の森に向かって歩く。 日課のトレーニングだ。 それに、愛しい人にも会える。 ウキウキしながら進むと、すぐ、目指している場所に女性の後ろ姿が見えた。 「シャンテ!!」 大きな声で叫ぶ。 シャンテと呼ばれた彼女はゆっくりと振り返った。 栗色の長い髪がふわっと揺れる。 そしてルーザーを見て優しく微笑んだ。 手を振りながらシャンテの方へ走りだそうとしたその時、二人の間を突如真っ赤な炎が遮った。 一気に温度が上がった空気に、身体中の水分が蒸発してゆく。 「シャンテ!シャンテ!!」 炎の間から向こう側を覗く。 シャンテの近くには数人の男たちが近づいていた。 みな同じ格好をしている。 鎧に真っ赤なマント。 その中には紋章のような柄が描かれている。 その紋章にルーザーは見覚えがあった。 「おい!テメーら!! シャンテから離れろ!!!」 叫ぶが聞こえていないのか、無視されているのか。 男たちは剣を携えながらシャンテの側まで近付き、そして―――。 刺した。 「うあぁぁぁぁっっっっっ!!!」
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