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「――――――っっ!!!!」
「きゃあっ」
突然ガバッと起き上がったルーザーに、側にいた少女が小さく悲鳴をあげた。
「………?」
ぜぇぜぇ、と荒い呼吸をしながら、自分の格好を見る。
汗をびっしょりかいてシャツも濡れている。
右手は胸元のペンダントを握り締めていた。
「夢……」
「あ、あの…」
一人呟いたあと、隣から聞こえてきた声に、初めて誰かがいることに気付く。
「大丈夫…?
随分うなされていたみたいだけど…」
色白の肌に金髪のボブ。
ライムグリーンの瞳が心配そうに翳る。
「あ、あぁ…」
意味のない返事をして周りを見渡す。
質素な家のようだ。
ルーザーは木を組み立てただけのベッドの上にいた。
「ここは…?」
「山小屋。
昨日、あなた、モンスターに襲われて。
覚えてない?
モンスターたちは逃げたけど、あなたが急に倒れるからびっくりしちゃった。
丸1日寝てたのよ」
確かに、記憶を辿ればそんなことがあった。
最後に見た少女は彼女だったのか、と思う。
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