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只今修行中
チュンチュン
連日のハードな修行でクタクタの優菜。
前まで、鳥のさえずりで目を覚ましていたが、今は無理の様子。
しかし、眠っている優菜の顔は幸せの笑みがこぼれていた。
《優菜様ぁ~♪朝ご飯の支度が整っておりますぅ~!早く起きて下さいましぃ~!!》
起きない優菜。
《何て嬉しそうな顔してるんでしょう♪でも、起こさなきゃっ!》
揺する。
やっぱり無理。
布団を取る。
……。
取れない。
布団にしがみついて離さない。
本当に寝てるのかな?
《起きてぇ~!》
叫んだ。
ビクともしない。
《いいですぅ。もう一人で食べちゃいますからぁ。》
ピクッ!
『たーべーるぅ~!!』
バサッ!!
やっと起きた。
《食事が済んだら直ぐにも支度をして下さいましぃ~♪》
『はいはいっ。』
オネエチャン…
『何よジョージったら!変な呼び方しないで!』
?
『ジョージって、あんな可愛い声出せたかしら!?』
《わ、私メは何も言ってませんがぁ?》
その時背後に気配を感じ、ジャンプしながらクルッと振り返る。
『誰っ!?』
ファイティングポーズの優菜に驚いた様子のソレは、下を向いてモジモジしていた。
見たところ、年の頃は4~5歳のネグリジェー姿の女の子だ。
『あんた、どっから入ってきたの!?うちの警備システム突破するなんて大したもんだわ!!』
そう言いながら、もう一度ソノ女の子を上から下までよーく見た。
『え?まさか、あんた、透けてない?え?てことは、あれ!?』
「はい。変な事故にあって死んじゃったんです。私だけ成仏できなくて。あれから10年、アナタが目覚めてくれるのを今か今かと心待ちにしてたんです。」
話しながら顔を上げた女の子。
その顔を見て優菜はビクッとした。
左目はえぐられたのか、骨まで見えており、右の頬は目のしたから口元まですっかりはぎ取られていた。
『そ、その顔は?』
「よくわかりません。成仏できないから、姿もかわらなくて。気持ち悪いでしょ?ごめんなさい。」
そう言って女の子は再び下を向いた。
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